中絶手術を受けるタイミング

中絶手術可能な時期について

事情があって妊娠が継続できない際には、人工妊娠中絶手術が選択されます。ただし、中絶手術が可能な時期は、「妊娠22週未満」と母体保護法によって定められていますので妊娠21週6日までにしか行うことはできません。なお、母体の生命に危機が迫っているケースでは、妊娠22週以降でも自然死産として妊娠を中断する医療行為が行われることはあります。
21週6日までに行われる中絶手術は初期と中期に分けられ、初期は妊娠11週6日目まで、それ以降が中期です。当院では、妊娠11週6日目までの初期中絶手術を行っております。
初期であればお身体への負担も少ない日帰り手術が可能ですので、出来るだけ早めに相談することをお勧めいたします。

妊娠の週数について

妊娠は、最後の生理の初日が0日目となり、生理周期が28日の場合は生理予定日を1週間過ぎても生理が来ないと妊娠5週目になります。市販の妊娠検査薬は生理予定日の1週間後くらいから正しい陽性反応が出やすいため、妊娠検査薬で陽性になった場合はすでに妊娠5週目になっていると考えられます。ただし正確な週数は産婦人科で検査を受けて判定します。

初期中絶と中期中絶の違い

当院では、妊娠11週6日目までの方を対象にした中絶手術を行っています。中期中絶には対応していません。

中期中絶とは

妊娠12週1日目~妊娠21週6日目までに行われる人工妊娠中絶手術です。この時期になると、人工的に陣痛を促すことで赤ちゃんを死産として取り出す手術を行うことになります。また中期中絶では、法的に死産の届出や埋葬などが必要になります。当院では中期中絶手術を行っていません。

初期中絶と中期中絶の違い

初期中絶 中期中絶
期間 11週6日目まで 12~21週6日目まで
方法 掻把法/吸引法 人工的に陣痛を起こして死産させる
入院 不要 3~7日程度
対応医療機関 母体保護法指定医 母体保護法指定医であり、入院設備が整った医療機関
費用 大体10~15万円(週数によって異なります) 45万円前後
所要時間 10~15分 術前処置が必要であり、1日以上かかります
痛み 麻酔により、手術中の痛みはありません 通常の出産と同じ痛みがあります
母体保護法による分類 人工妊娠中絶 人工死産
届け出 不要 役所への死産届提出が必要
埋葬 不要 埋葬許可証を取得し、埋葬が必要

中絶手術と流産手術について

胎児が発育していない、子宮内で胎児がすでに生きていない場合には、流産手術が行われます。
手術の内容は中絶手術と変わりませんが、流産手術では組織が流れやすくなっています。自然に流産が起こっていることにご自分で気付かれていないこともあります。そのため、お身体や胎児の様子をしっかり把握しながら必要性を見極め、患者様に状況や手術内容などを詳しくご説明しています。不安なことがありましたら、なんでもご相談ください。また、妊娠中に下腹部の痛みや出血などの異変がありましたら、流産の可能性がありますのですぐに受診してください。

早い受診をおすすめします

まだ先のことを決められず「どうしたらいいのか、わからない」場合も、妊娠している可能性があるようでしたら早めにご相談ください。妊娠しているかどうかを医師に確認してもらうのはとても重要です。 下記のようなお悩みがある方は、ご来院ください

  • 妊娠したがどうしたらいいのかわからない
  • 「明日には生理がはじまるかも」と受診をためらってしまう
  • 継続か中絶かを決めてから受診しようと考えてしまう
  • 相談できる相手がおらず、一人で悩んでいる
  • 自分もパートナーも気持ちが揺れている

生理が不規則な方や、避妊していた覚えがある方は妊娠に気付くのが遅くなり、判明した時には週数が進んでしまっているケースもあります。「もしかしたら」と思ったら早めに受診してください。妊娠中には胎児が大きくなっていくため、妊娠週数が増えればそれだけ母体への負担が大きくなります。妊娠していなかった場合にはお悩みから早く解放され、妊娠がわかった場合も心身への負担の少ない時期の手術が可能になりますので、できるだけ早く受診してください。

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